最近、やって良かったことの1つが、日本経済新聞を電子版に切り替えたことです。
しかし電子書籍は、いまだ波に乗れず、書籍や雑誌等は、専ら紙媒体ですが、
新聞の電子版に限って言えば、正直、ここまで活用度があるとは、思っていませんでした。
もっと早く切り替えれば良かった、とさえ思います。
特に紙の新聞は、読む場所やタイミングを選びますが、電子版はその点、手軽です。
当初は、iPadかPCをメインで、と思っていましたが、今、多くはiPhoneです。
その他のメリットとしては、記事の検索や保存などの容易さがあります。
以前、大事な新聞記事は切り抜き、ファイリングしていました。
そして、紙面を切る時が、結構手間でした。
例えば、表と裏、両面に切り抜きたい記事がある場合、両面を睨みつつ、
どちらも残しながらうまく切る取る腕が求められました。
又、新聞を切り抜くカッターは、1枚だけを上手に切りとることができる、
凄腕文房具「キリヌーク」なる商品を購入する必要がありました。
これらの作業が、すべてクラウド化です。
切り替えたタイミングで、日本経済新聞社主催のセミナー案内が来ました。
日経 相続・事業承継セミナー2015 in東京
「企業経営者及び資産家編」
年間50兆円を超える相続・事業承継のソリューションと出会う
相続のセミナーはどこも活況を呈し、混雑していると聞くので、
テーマがテーマだけに参加してきました。
第1部 成長戦略と今後の日本経済:竹中平蔵氏
第2部 銀行員が語る資産家・オーナーの為の相続:
三井住友銀行 プライベート・アドバイザリー部長
川嶋伸夫氏
第3部 評価減8割のタワーマンション節税の全貌:
スタイルアクト 代表取締役 沖有人氏
第4部 地方の自立と東京の再生~これからの日本を考える~:
慶應義塾大学法学部教授 元鳥取県知事 片山善博氏
第5部 空き家にしない実家の相続・もめにくい相続:
税理士法人レガシィ 代表社員税理士・公認会計士
天野隆氏
第6部 東京・中古・ワンルームを使った相続対策:
日本財託 代表取締役 重吉勉氏
第7部 事業成長・承継戦略、財産承継戦略の同時実行:
キャピタル・アセット・プランニング
代表取締役 税理士・公認会計士 北山雅一氏
丸一日びっしりのセミナーでした。
当日の会場は、噂に違わず盛況で、空席を探すのが難しいほどでした。
様々な立場の方々が、様々な視点で、テーマである相続(老後)
について、熱弁を振るっていました。
中でも聴講者の関心度が高いと肌で感じられたのは、竹中平蔵氏です。
少数ではありましたが、最初の竹中平蔵氏の講演が終わった途端、
帰ってしまう人すらいました。
竹中平蔵氏の話の中で、特に印象に残ったのが、年金の話でした。
今の20~40代の人たちは、果たして年金をもらえるのだろうか?
と言った漠然とした不安を持っていると思います。
竹中平蔵氏が語っていたのは、国民年金の今の制度、
国民皆年金ができたのが、1961年。
その時、年金受給年齢が65歳に設定されましたが、
当時の日本人の平均寿命は、66歳でした。
現在の日本人の平均寿命は延び続け、世界一であり、84歳です。
乱暴ではありますが、単純に国民皆年金創設時の受給年齢と
平均寿命の関係だけで考えると、年金受給年齢は83歳、
と言えることになります。
現実問題としては、年金受給年齢を67~68歳に引き上げる、ことが検討されています。
同時に高所得者に対しては年金を給付しない、掛捨てのような改革も検討されています。
日本の年金問題は、日本が膨大な借金を抱える財政とも連動し、
又、年金は隠れ債務にもなっています。
だからといって年金を払わない、という選択肢は強制加入のため現実的ではありません。
しかも、無理やり滞納に持っていく人も中にはいますが、年金給付の財源には、
日常の納税からも使われているので、日本で生活している以上、
それはそれで恩恵を受けられない構図になっています。
また、障害年金は、年齢に関係なく受け取れるため、
滞納という選択肢は極めて不合理です。
ただ、年金については、つい最近の漏えい問題や、また朝日新聞の記事では、
日本年金機構による事務処理ミスが、毎年度2,000件台あり、
2010年1月の機構発足以後で10,000件を超えたといったものがありました。
そのうち、ミスの4割は受給者や外部からの指摘で発覚したそうです。
キーボード45分操作したら15分休憩、キーボードタッチの1日当たりの平均は5,000以内
などの覚書を作成していた全国社会保険職員労働組合があった社会保険庁が解体され、
日本年金機構に器が変わっても、名称だけしか変わっていないのでは?
といった憤すら通り越し、呆れてしまいます。
年金の記録管理や内容確認は、自己においてもきちんと行っておくくらいの用意周到さや、
そして、老後を見据えた自分なりの資産形成の構築、さらには、
年齢にとらわれない稼ぐ力を身につけること、がより求められます。
いつの時代も最高にして最大の資産は、自分の能力と可能性であることは間違いありません。