コラム

さち子

最近、Lampというバンドをよく聴いています。

男性2人+女性1人の国内アーティスト。
知ったキッカケは覚えていませんが、何かで知り、YouTubeで視聴して気に入り、
アルバムを1枚買い、そして良かったので更に他のアルバム買い、気がついたら、
既発の8枚のアルバム全て購入していました。

1st:そよ風アパートメント201
2nd:恋人へ
3rd:木洩陽通りにて
4th:残光
5th:ランプ幻想
6th:八月の詩情
7th:東京ユウトピア通信
8th:ゆめ

最近、CD買っている?と周りに聞くと、ほとんどがノーという返事でした。
CD全体の売上が、下り坂で底を打たないことを肌で感じます。

多くはCDで買いましたが、2ndと6thは廃盤だったので、iTunesから
初めてアルバムをダウンロード購入しました。

YouTubeで聴いて衝撃を受け、気にいるキッカケとなった曲は、さち子という曲です。

昭和レトロ漂うアンニュイなメロディーと歌詞、そして、パリの社交界に
迷い込んだような耽美で幻想的な雰囲気に、ただただ、溜め息が洩れるばかりです。

デビューが2003年なので、新人では決してありませんが、
私の周りで、Lampを知ってる人は1人もいませんでした。

これは日本の悪しき習慣だと思うのですが、生活の中の情報の多くがTV中心で、
「TVに出ていない=無名」と扱われ、情報を自ら取りに行く人は、多いようで、少ない気がします。

ミュージシャンを目指し、その後、お笑い芸人として吉本入りし、
フルーツポンチやはんにゃ、そしてオリエンタルラジオと同期の元芸人で
音楽通の後輩に、LampのYouTubeのURLを勝手に送りつけ、
聞いてみたところ、知らないと即答でした。

しかし、感受性が豊かなのでしょう。
♪夏の終りの水平線と甘い潮風~♪
イイ曲ですね♪
といった感想を頂戴しました。

Lampの中心的存在の染谷大陽氏は、ブログを書いていて、最近は宣伝が多いですが、
過去ブログは、音楽で食べていくことの苦悩や生活する上での現実、
創作活動の中でのメンバーとの葛藤などが赤裸々に綴られ、非常に心揺さぶられます。

こぬか雨はコーヒーカップの中へ

私は、特に気取った意識で、あえてあまり知られていない音楽を
聴こうとしている訳でもなければ、一般的に周知されている音楽には
関心がない訳ではありません。
好きな国内アーティストの傾向が、たまたまそうなだけです。

現に、好きな海外アーティストの1つは、Steely Danという2人組のバンドで、
日本での知名度はいまいちかも知れませんが、アメリカでは、
国民の誰もが知るほどの有名アーティストです。

全米で大ヒットしたBreaking Badというドラマでは、朝食をとりながらの
親子の会話のシーンで、Steely DanやBoz Scaggsといった単語が出てくるくらいです。

以前、東京藝術大学卒の伊勢谷友介氏が、リバースプロジェクトを立ち上げた
インタビューの中で、藝大という超難関な狭き門を潜り抜け、卒業して社会に出ても、
なかなか資本主義社会の波に乗れていない仲間が多い。
その仲間達の活躍の場も増えれば、というような想いを語っていました。
芸術の才能で食べていくことの難しさをこのインタビューから感じました。

どうしても、一定年齢に達すると、生活のために、収入面をベースに、
物事の意思決定や判断をしがちですが、収入の多寡だけが幸せを決めるものではなく、
当たり前かも知れませんが、やりたいことで生活できていけることこそが、
何より幸せなことなんだ、と改めて感じました。

まさに、さち子は漢字にすると、幸子なんだと思います。

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