主に男性用のバレエ衣装をレンタル・リースする顧問先があります。
バレエ人口の95%が女性で、男性は5%ほど、とのこと。
そういう視点の妙味もあってか同業社はそれほど多くなく、
また好・不況の波を他業種ほど受けにくい傾向があります。
かつて故・藤巻幸夫氏が、声をかけてきたほどの、
発想がとてもユニークで、中小企業にとってはお手本のような会社です。
バレエとは接点がなくここまで生きてきた私ですが、自分が思っている以上に、
バレエ人口に一定のボリュームがあることを知りました。
最近は、社会人を対象としたバレエのカルチャースクールなども
活況で、どこも混んでいると聞きます。
他に、バレエ教室の先生も顧問先にいらっしゃいますが、先生いわく、
「立っている姿を見るだけで、バレエ経験者かどうかわかる。」と言っておりますので、
姿勢をよくさせる効果などを期待して、お子さんに
バレエを習わせたいと考える親も少なくないようです。
そんなある日、私は社長から、バレエ公演のお誘いを受けました。
「小林紀子バレエシアター公演『眠れる森の美女』プロローグ付き全幕」
「眠れる森の美女」は、チャイコフスキー作曲3大バレエの一つ、とのこと。
3大バレエとは、他に「白鳥の湖」「くるみ割り人形」。
「眠れる森の美女」という名前こそ聞いたことはありましたが、
どんな内容なのかは、まったく知りませんでした。
生レバーは食べたことはあっても、
生バレエは賞味したことはなかったので、
同行させていただくことにしました。
「バレエは、歌を歌ったりするのですか?」と聞いてしまうくらい、
私にとっては門外漢な領域。
しかし。
しかし、です。
かつて私は、劇団四季は毎年必ず1本は見ていましたし、
ロンドンやN.Yに行って、本場のミュージカルを見るほど、
はまっていた時期もありました。
さらには、東京セレソンデラックスという劇団に夢中になり、
演劇をよく見ていた時期もありました。
要は、そういった劇モノは、結構好きなのです。
会場は、新国立劇場。
さっそく、バレエが始まりました。
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■プロローグ 40分
□休憩20分
■第1幕 40分
□休憩20分
■第2幕-第3幕 60分
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「長丁場なので、前日はじゅうぶん睡眠をとってきてください。」
と言われていましたが、睡魔に襲われることはありませんでした。
ロンドンから全て運んできた壮大なセットや、もちろん演者の
素晴らしいパフォーマンスも理由にあげられます。
それと、幕間の休憩が十分に設定されていたことも大きかったように思います。
これは飽きさせないための工夫かな?と思いましたが、
実は、大掛かりな舞台装置をセットするために、
必要な時間であることを社長に教えてもらいました。
休憩の合間、エコノミー症候群にかからないよう、席を立って
ロビーに出たりしていましたが、客層はブルジョワジーな雰囲気に包まれていました。
ドレスコードがあるのか、とても素敵なお召し物を皆さんまとっていました。
親子できている人も多く、まさに情操教育!と叫ばずにはいられない異空間でした。
喉が渇いたので、売店でコーラを注文しましたが、1杯500円でした。
同じ日本でもこうも物価が違うのか、と驚きましたが、
いつも飲むコーラより、少し炭酸の強度があり、濃厚だったような気がします。
最後は、感動のフィナーレ。
人間の限界の壮絶さ、鍛錬を積めばここまで極めることができるのか?
芸術の最高峰を堪能させていただきました。
家路についてから、寝床で頂いたパンフレットを眺めていたら、
ふとある疑問がわいてきました。
「眠れる森の美女」
眠れる森の美女は、
(1)眠れる森/の美女 なのか?
(2)眠れる/森の美女 なのか?
(1)眠れる森/の美女 = 眠っているのは、森。
(2)眠れる/森の美女 = 眠っているのは、美女。
なんて考えていたら、自分が眠れなくなりました…。