巷で話題の本、さっそく読んでみました。
「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある」
(著)山口真由
東大法学部(首席で卒業)→財務省→弁護士という経歴から、
ご自身がこれまで培ってこられた37の方法を、エピソードを交えながら紹介。
私は日経新聞の広告で、この本を知りましたが、経歴の突出さと、
著者の容姿端麗さもあってか、かなり売れているようです。
ビジネス書は、「何を書くかより、誰が書くかがより重要」とよく言われますが、
この本は、中身が骨太で説得力もあり、取り入れてみたい項目がいくつかありました。
著者のこれまでの結果は、先天的な能力よりも、人より努力をしてきたからこそ
勝ち得たものであって、その方法論の多くは、再現性のあるものだと感じました。
数ページでも参考になる箇所があれば、その本は買う価値がある、
という考え方に立てば、この本は迷わずBuyです。
読了前の印象と異なり、著者は物事をスマートにこなすというより、
むしろトコトン泥臭く地道に、そして面倒臭がらず、徹底的にやり込む姿勢を持ち、
それは一貫しており、「ローマは一日にして成らず」、「継続は力なり」、
「塵も積もれば山となる」、「積土成山」、「大きい薬缶は沸きが遅い」、
といった印象を強く受けました。
特に関心があった記述は、下記の部分です。
人間の能力を4つの分野に大別して、そのうちのどれが
自分は最も得意かを把握し、得意分野をより尖らせていく手法です。
4分野とは、(1)聞く、(2)読む、(3)書く、(4)話す
社会ではアウトプットを求められますが、アウトプットにはインプットが不可欠です。
「聞く・読む」は、インプットの作業で内向的性質、
「書く・話す」はアウトプット作業で外交的性質、
と捉えることができます。
「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」
まずは、知ること。そして、尖らせること。
それにしても本のタイトルが長いです。
本のタイトルの決定権は、多くの場合、著者ではなく出版社にありますので、
戦略的にこのタイトルにしているのだとは思いますが、それでも長いですね。