コラム

23区格差

都内23区(※厳密には17区)を調べる必要があり、手にした一冊。

都内は限られたエリアに、驚くほど多様な面を持っています。
23区は個性が強く、この本を読めば概要を駆け足で掴めます。

タイトルは、「23区格差」ですが、しかし、都内の23区ほど
区という単位で認識されにくいところはありません。
たとえば新橋、有楽町、八重洲、神田、秋葉原、というエリア名で
把握されるのが通常で、それぞれどの区なのか答えられる人は多くありません。
(正解)
新橋=港区
八重洲=中央区
有楽町、神田、秋葉原=千代田区

区の印象を複雑にさせているのは
(1)区の名前
(2)駅の名前
(3)中心となる街の名前
この3つが一致するエリアがほとんどない点です。

たとえば、品川駅は港区にあり、目黒駅は品川区にあります。
板橋駅なんかは、板橋区と北区と豊島区の3区の境界に位置します。

わたしたちは、各市区町村の中心的イメージを駅に求めますが、
23区ほど、当てにならないところはない、と言えます。

ゆえに、23区は区単位で発展しているのではなく、区に縛られることなく、
エリア毎にそれぞれが発展し、進化し続けてきました。

もちろん、23区以外でも独自の発展を遂げている地域は全国に点在します。
ある高級物件の不動産投資家は、「西の鎌倉。東の菅野。」と、
神奈川県の鎌倉エリアと千葉県市川市の菅野エリアを得意とします。
しかし、限られた地域のブランド化・発展は全国的に見てもそう多くはありません。

そして、この本では、23区の歴史を知ることができます。
たとえば、都内屈指の超高級エリアの代表は「城南五山」ですが、
ここはもともとあることをルーツとしています。
「城南五山」=池田山、島津山、御殿山、花房山(以上、品川区)、八ツ山(港区)。

若者の街、そして現在法人所在件数全国ナンバー1を誇る渋谷は、
かつては東京の片田舎と呼ばれていました。文部省唱歌
「春の小川」の歌詞は、渋谷をイメージして書かれたものです。

また豊島区の中心である池袋は妥協の産物として生まれたものでした。
山手線は当初、目白から田端を結ぶ予定でしたが、地元の反対にあい
当時何もなかった池袋に駅が急遽、つくられました。
池袋にはフクロウのオブジェが街中に多数設置されいますが、この歴史の流れが原因です。

板橋区には、「病院」と「大学」が多くありますが、なぜ板橋区に異様に多いのか?
この本を読めば一発で分かります。

そして最近、特に注目を集めているのが新宿です。
バスタ新宿、JR新宿ミライナタワーと盛り上がりは最高潮です。
弊所が利用している情報関連会社が、新宿ミライナタワーに入りました。

以前のフロアーより、家賃が1.5倍で、広さは70%になったそうです。
今、新宿高島屋などが中心となって駅だけでなく、新宿の街を
回遊してもらえるようなプロジェクトが動き出しています。
新宿は一人暮らし天国とも言われており、住みやすく、新宿の勢いは続きそうです。

23区は、調べれば調べるほど、複雑怪奇でそれぞれに魅力があります。
都心5区である千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区。

注目度の高い中野区、豊島区、文京区、目黒区、品川区、
世田谷区、杉並区、練馬区、板橋区、晴海、有明、築地、押上。

人気エリアの港区全域、恵比寿、代官山、自由ヶ丘、武蔵小杉。

都内17区と呼ばれる千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、
台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、
渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、練馬区。

魅力がないのは都政だけなのかも知れません。
がんばれ都政。がんばれy.masuzoe。

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