編集者が選ぶ「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」を受賞した、話題の本。
あまりに衝撃的過ぎる内容で、購入したその日に読み切ってしまいました。
戦慄のノンフィクションと書かれていますが、まさにその通りの内容です。
丸子実業高校バレーボール部員自殺事件のノンフィクション。
非常に簡単に分かりやすく書くと、自殺したバレー部員の高校生の遺族が、
原因が部活でのいじめにあったと学校関係者を提訴しますが、
学校側やバレー部員はそんな事実はなかった、と遺族を逆に訴え返します。
結果は、学校側やバレー部員の主張がほぼ認められる異例のものとなりました。
なぜ、そのような結果となったのか?
先生、校長、県、バレー部員、遺族、人権派弁護士、TVや雑誌などのメディア、
それぞれの動きが本書を通して詳細に語られています。
どこかで修正できる道はなかったのか?
より良い選択肢は?本当の加害者・被害者は誰なのか?
とても考えさせられる内容でした。
社会事件は、日ごろのニュースで、どこか遠いところにある話、
という感覚を持ってしまいますが、こういった本を読むと、
どこでも起こりうる身近な話だと感じます。
この事件は、学校側vs生徒という図式ですが、会社側vs社員、
といった関係でも読み替えられる気がします。
事前対応も大事ですが、きちんとした事後対応も大事です。
トラブルは生きていく以上、完全に避けることはできません。
当事者となった時に、どのような行動がとれるのか?
身近な相談相手の存在、頼りになる専門家、友人、知人、仲間、親族etc…。
こういった事実が、現実に起こったことと知っておくことも、重要に思いました。
モンスターマザー
福田ますみ/著
―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―
「息子は校長に殺された!」 たった一人のモンスターが学校を崩壊させた。
はじめに
第一章 家出
第二章 不登校
第三章 悲報
第四章 最後通牒
第五章 対決
第六章 反撃
第七章 悪魔の証明
第八章 判決
第九章 懲戒
終章 加害者は誰だったのか
事件の経過