コラム

語彙力こそが教養である

久々に手に取った斎藤孝の新刊。

最近は、中谷彰宏の地位を脅かすほどのハイスピードで新刊を出し、
正直、食傷気味でしたが、タイトルにひかれて購入。

しかし、この本はとても興味深く、個人的には読んでよかった本の1つとなりました。
今まで読んだ斎藤孝の中でも出色の出来に思います。
中身は題名通りで、それを様々な角度から検証する構成です。

特に印象に残ったのは、工場の作業員に読書をさせるようしたところ、
生産性があがり、離職者が減ったというエピソード。

少々、ファンタジーを感じますが、理由としては読書することで語彙力があがり、
言葉遣いが丁寧になり、コミュニケーションが円滑になり、職場環境が向上したから。

語彙力は読書をすることで肥えるということで、齋藤孝オススメの本を何冊も掲げています。
ミステリーから純文学、ノンフィクション等々、ジャンルは幅広く様々で
私は関連する本を9冊ほど、買いました。

特にオススメしているのが、夏目漱石全般と、ドストエフスキー5大長編小説。
ドストエフスキー5大長編小説とは、
カラマーゾフの兄弟
罪と罰
白痴
悪霊
未成年

ところで、私は昨年から村上春樹を読み始めました。
日本人として生まれたからには、世界的思想家トップ100の中で、
日本人トップに入っている村上春樹を読まないワケにはいきません。

ノルウェーの森(上)(下)→世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下)→
ねじまき鳥クロニクル(第1部)(第2部)(第3部)→海辺のカフカ(上)(下)→
風の歌を聴け→1973年のピンボール→羊をめぐる冒険(上)(下)→
ダンスダンスダンス(上)を現在、読んでいるところです。

このあとは、ダンスダンスダンス(下)→スプートニクの恋人→国境の南、太陽の西→
アフターダーク→1Q84(1)(2)(3)(4)(5)(6)→
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年→で、卒業する予定です。

村上春樹を読んで語彙力があがったどうかの自己判断は難しいですが、
少し考えが哲学的になったような気がします。
あと、ため息が出そうになった時、「やれやれ」と口走りそうになります(当社比)

村上春樹が面白いかどうかより、これだけ売れ続けるには理由があります。
それを自分なりに探してみるのも面白いかも知れません。
書評も割れています。大ブレイク前の作品は相対的に好評価で、
大ブレイク後は相対的に低評価が続くよくあるパターンになっています。
偏見なしにまずは読んで、自分はどう感じるのか?
試してみる価値は十分にあります。

言葉を知らないって怖いなと感じずにはいられない体験がありました。
数年前の話ですが、ある勉強会に参加しました。

隣でよく話した人が、外資系の企業にお勤めで、アメリカの大学に留学経験があり、
現在は上司も外国人のため、日常業務はほとんど英語だ、言っていました。

その後、主催者側から、一人一人、その勉強会に支払った領収証の宛名を聞かれたのですが、
彼は「ブランクで!」と言っていて、珍しい名前だな、
見た目は完全に日本人なのにと勝手に想像していました。

後日、「ブランク=blank=空白」→「宛名は空欄」という意味を知り、
知り合いに大笑いされました。言葉を知らないのは怖いですね。
私もブランクをあけず、読書を継続しようと心に誓いました。

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