コラム

ブレイキング・バッド

「ブレイキング・バッド」
というアメリカのドラマが異様に面白い、という記事を読みました。

「24 -TWENTY FOUR-」、「LOST」、「プリズン・ブレイク」より人気とのこと。
私は、「24 -TWENTY FOUR-」くらいしか見たことはありませんが、
シーズン3くらいで飽きて、見るのを止めてしまいました。

この「ブレイキング・バッド」は、シーズン5まで続きますが、
先へ進めば進むほど、面白さが加速度的にあがり、
終盤、最高の盛り上がりを見せて終わることを知り、
とても強い関心を覚えました。

漫画でもドラマでもゲームでも、人気のあるシリーズというものは、
先へ進めば進むほど、トーンダウンし、やっぱり最初の頃が良かったね、となるのが常。
そうではなく、その流れを覆す展開とは、これは見ないわけにはいきません。

さっそくまとめて借りてきました。
一気にシーズン2まで見ました。
噂にたがわず、面白かったです。

あらすじとしては、かつては優秀な科学者で、今はワケあって高校で
科学の教師をしている、まじめ一筋で生きてきた中年の主人公が、
ある日、末期癌と宣告されます。

しかし、家庭の事情は複雑です。
妻は身重で、長男は脳性麻痺。

そこで、自分が亡くなったあとの残された家族を想い、
一財産を築いてこの世を去ろうと主人公は画策します。

そして、思いついたのが、科学の知識を利用し、最高純度のドラッグを作り、
それを闇社会で売り捌き、余命いくばくのなか、稼ぎまくろうというもの。

ジャンキーでヤンキーな教え子をパートナーに選び、
家族に内緒で裏社会にどんどん入り込んでいきます。

家族からの不信、麻薬捜査官である義理の弟からの捜査の足音、
闇社会の荒くれ者との抗争など、問題が次から次へと噴出します。

話の設定じたい現実離れしているようにも感じられますが、
ドラマを実際見てみると、違和感なく、ぐいぐいと引き込まれます。

まじめな中年教師が、裏社会に足を踏み入れ、つきあう相手が変わり、
環境を異にすることで、悪い方向へ壊れ出します。

そして、裏社会の住人以上に凄みを増し大物へと
変貌していく過程も、このドラマの見所です。

つきあう相手や環境で人はこんなにも変わるんだな、と改めて感じます。
すべてをつきあう相手や環境のせいにするのは暴論ですが、
生まれながらの悪人はいない、とつくづく思います。

このドラマを見て、映画「ゴッドファーサー」を思い出しました。
マフィアのボスで、ゴッドファーザーと周囲に恐れられていた
ドン・コルレオーネには、三人の息子がいました。

血の気が多く、粗暴な長男のソニー。
臆病で人に騙されやすい次男のフレド。
頭は人一倍切れる真面目な三男のマイケル。

父であるドン・コルレオーネは、心優しく優秀な三男のマイケルだけは、
マフィアの道に入れず、大学に進ませ、まっとうな人生を歩ませようとします。

しかし、敵対するマフィアから父ドン・コルレオーネが襲われ、
長兄が殺され、次兄はまったく頼りにならない状況下で、
三男マイケルは、マフィアの道に足を踏み入れることを決意します。

最初は、震えて貫禄すらなかったマイケルですが、マフィアの世界に染まっていく中で、
目つき、顔つき、立ち振る舞い、言動、判断基準などが、別人のように鋭く変化していきます。

このマイケルの過程と、ブレイキング・バッドの主人公が、重なりました。
誰とつきあい、誰とつきあわないか?
そして、どういった環境下に自分は身を置くか?
その判断は、人生に強く影響を及ぼします。

某保険会社が中小企業経営者1万人に対して行ったアンケートがあります。
「Q.経営に関するアドバイスはどなたから受けていますか?」

ファイル

結果はグラフのとおりで、頼りのアドバイザーは、
「税理士・公認会計士」となっています。

経営者は、つきあう税理士・公認会計士から影響を受けます。
同じように税理士・公認会計士も、顧問先から影響を受けています。

誰と組むか?どういう環境下か?
その判断、その入り口は、大切にしたいです。

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