コラム

柴田和子

昨年末。

複数の保険会社の代理店をされているAさんから、飲まないか?
とお誘いを受けました。

Aさんとは、顧問先を通じて知り合い、たった一度の偶然の出会いではありましたが、
お互い気があったのか、それ以来、定期的なおつきあいが続いていました。

知り合ってかれこれ5、6年ですが、あくまで仕事上でのつきあいに限定されており、
一度も飲みに行ったりしたことはありませんでした。

そんなAさんから突然、飲みに行こうと誘っていただいたのです。
「目上の人からの誘いは断ってはいけない。」
「経理の仕事はデスクワーク中心なのだから、飲みの席こそ、
外に目がいき、有用な情報が得られる貴重な場だ。」

ある大手商社に勤務する経理の人から、若かりし頃、
教わった記憶があります。

宴席では、Aさんから種々様々な話を聞くことができました。
Aさんは現在の仕事に就くまで、まったく別の職種をいくつも経験されており、
そして、現在の保険の職に就いてからは、数万件の飛び込み営業、
数千人の社長と面会をしてきたそうです。

Aさんのトークは軽妙洒脱でいて、時にハっとさせられる
深いポイントが散りばめられていました。
私は、良い話はその場でひたすらメモしていきました。

いろいろな話を聞いているうちに、Aさんは、いったいいくつなのだろう?
と疑問が沸いてきました。

これまでうかがった職歴及び経験並びに実績、顔の色ツヤなどを
総合的に勘案すると、50歳くらいかな?と推察しましたが、
実際は、58歳でした。
その話が、その日聞いた中で一番驚かされた話であったことは、
言うまでもありません。

そして、その日一番深かった話は、Aさんが唐突に
「柴田和子」って知っている?と聞いてきた時でした。

私が知らないと答えると、日本のあまたの保険の営業職の中で、
ずっとトップセールス(※第一生命とのちに判明)として活躍してきた人で、
あまりの販売実績の凄さから、ギネスブックにも載ったそうです。

そして、柴田和子氏の名言を教えてもらいました。
人と接するうえで大事なのは、
1.好かれること
2.信頼されること
3.尊敬されること

実は、これは順番が大事で、まず人として好かれないと信頼はされない。
そして、信頼されないと、尊敬は生まれない。

1.好かれること → 2.信頼されること → 3.尊敬されること

どんなに優秀で知識があったとしても、嫌われていれば、尊敬はされない。
相手から好意を持たれていれば、やがては信頼が生まれる。
その信頼が尊敬に変わっていけば本物。
そういうお話でした。深いです。
さっそくAMAZONで柴田和子氏の全書籍2冊を購入し、読みました。

柴田和子 正々堂々のセールス
柴田 和子 (著)

柴田和子 終わりなきセールス
柴田 和子 (著)

また、柴田和子氏の娘さん2人も保険セールスの道へ進み、
相当の実績をあげており、共著が出ていたので、
そちらも購入し読んでみました。

スーパーセールス姉妹 知栄と佳栄―「母」から受け継いだ豊かなこころ
柴田 知栄 (著), 廣瀬 佳栄 (著)

柴田和子氏は専業主婦から軽い気持ちで門外漢の保険セールスの道へ入り、
数千億円の保険、数十億円の保険料をコンスタントに毎年叩きだし、
30年連続で日本一に輝いています。

セールスの本質は、その商品を売っているのではなく、
自分自身を売っているのだ、
という話をよく聞きますが、まさにこの3冊を読んでそう感じました。

しかし、気になったことが1つありました。
柴田和子氏の著書を読もう、という動機になった名言
1.好かれること
2.信頼されること
3.尊敬されること

正座して通読しましたが、どのページにも、
まったく書かれていませんでした。

この名言は、本当は誰が残した言葉なのでしょうか?
謎は、深まるばかりです。。
深いです。

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