コラム

昇級審査

先日、空手の昇級審査を受けてきました。
館長から8級まで受けてOK!との承諾をもらいましたが、結果は仮8級合格でした。
いくつかミスを犯し、8級には及ばないけれど、おおよそできているとの評価で、仮8級です。

空手を始めて2ヶ月余り、昇級審査が、そもそもどういう手順と段取りで行われ、
何を基準に合否が決まるのか?さえもはっきりと認識していたわけではなく、
正直なところ、ただただ、ついていくのに精いっぱいでした。

空手の道衣は、昇級審査の3日前に届きました。
それまでずっとTシャツ&短パンで練習していて、昇級審査は、空手道衣を着ていないと
受けられないと言われており、1ヶ月前から注文はしていましたが、ギリギリ間に合いました。
帯の締め方すらよく分かっておらず、審査を受けている最中、道衣が
ずり落ちてしまわないよう細心の注意を払いました。

審査当日は、「9:00開場。9:30審査開始。」とスケジュール表にはありました。
私は9:30までに会場に入れば良いと勘違いし、秋晴れで陽気が良かったこともあり、
大瀧詠一の「スピーチバルーン」を鼻歌まじりに自転車を漕ぎながら9時過ぎに着くと、
既に全員中に入っているから急いで、と門前に立っていた師範から声をかけられました。

会場に入ると凄い熱気で、既に全員整列していました。
審査の説明にうつり、そのまま言われるがまま、空手を始めたばかりの
無級の人たち(=私ら)から、審査開始となりました。
他支部との合同で行われるため、会場は見学者を含めると数百人を超えていました。

空手の昇級審査は、(1)基本→(2)組手→(3)型という順番で行われ、
その3つの動きで級が決まる、ということを初めてその日、知りました。
何級を受けるかは、厳密に決められているわけではなく、飛び級もできます。

(1)基本を行う場所、(2)組手を行う場所、(3)型を行う場所、
3つのレーンに分かれており、各レーン毎にテーブルが置かれ、
1つのテーブルに4,5人の師範が、同じ色のジャケット、同じ色のネクタイ、
同じ色のスラックスで、厳粛な面持ちで鎮座しています。

名前を呼ばれると、まずは、空手の基本から審査を受けます。
基本は1レーン3人が、横に並ばされます。
そして、審査員がどの基本をやるか、その都度、指示を出します。
その指示通りの基本をやり、滞りなくできた人だけが、次々と
より高度な基本の指示が出されます。
できない人は、途中で下がって良いと言われます。
飛び級ができる人は、ずっと残り続けます。

下がった人は隣の組手のレーンに移動します。
組手は基本や型と異なり、二人一組となり、掛け合いのもと、
攻めと守りを交互に行います。

基本をやったレーンから審査票が廻され、組手の審査員がその票に採点します。
基本が一定の級で終わってしまっている人は、組手もそれ以上は、求められません。

組手が終わると最後は、型のレーンに移ります。
型は、級ごとに指定された動きがあり、基本と同じく、2,3人ずつで行います。

組手をやったレーンから審査票が廻され、型の審査員がその票に採点します。
ここでも、基本や組手で確定された級以上の型を求められることはまずありません。

基本、組手、型の3つを終えるとあがりです。
そして下の級の人たちから、上の級の人たちの順番で審査を受けることになります。

空手の帯の色は、級で変わります。
始めたばかりの無級者は白帯で、9級まで白帯のままです。
8級から、帯の色が変わり、私は仮8級でしたが、8級の黄色の帯となりました。

まだまだの腕前で、空手をやっているというには、忍びないほどの技量でしかありませんが、
帯の色が変わったことに対しては、ちょっとした感動がありました。

昨年の今頃は、ちょうど宅建の試験を受けていて、今年は空手ですが、
基本的な考えややり方は同じであるように感じました。

宅建の試験はとにかくやり込み第一で、試験会場で、思考を巡らせる余裕など殆どありません。
解答マシーンのように、反射神経で答えを塗りつぶしていける練習量が必要でした。

空手の審査では、足の向きから手の握り方、引手、身体や腰の向きなど細かい点をチェックされます。
空手は、一撃で相手を殺傷至らしめる技を基本としていますので、
頭でいろいろ考えてやるものではありません。
量稽古、練習の繰り返しで、身体が自然に動くほどに鍛錬を積む必要があります。

頭で考えていたら、その隙に相手にやられてしまいます。
一撃必殺で、瞬時に身体が反応する必要があり、そうなるには、ひたすら練習しかありません。
始めから強い人やうまい人は、まずおらず、一定の訓練を受けた上での技術になります。

遊んだり、休んだりするのも一つの快楽ですが、苦しくとも何かを得ようともがき、
そこから得られる達成感や解放感も快楽の一つに思います。

まだ2ヶ月ですが、2,3キロ体重が落ちました。
たった数キロですが、周囲に痩せたねと言われることが増え、
さらには、身体が以前より軽くなった実感があります。
筋肉痛のような違和感は日常的になり、慣れに変わりました。

足にマメができ、高校時代空手部だった取引先の人には、
空手をやると足の皮むけますよ、と言われましたが、さっそくむけています。
足の皮だけでなく、空手を通して人としても、一皮も二皮もむけていければと願う今日この頃です。

元々運動が好きと言うのもありますが、空手は、久々に自分の中でヒットです。
続けられそうです。

アーカイブ一覧

PAGE TOP